【中編】食品工場内の害虫発生を防ぐためには、「防虫清掃」がカギ!
食品工場内で、繰り返し虫が発生していませんか?工場内で虫が発生してしまうのは、「防虫清掃」ができていないからかもしれません。
前編では、食品工場内で虫が発生する要因と、解決方法である「防虫清掃」についてご紹介しましたが、具体的にどのような虫がどんな場所で発生するのでしょうか。虫の特性と発生箇所を理解しておくことは、効果的な清掃を行う上でとても重要となります。今回は、食品工場で特に問題となる内部発生虫ベスト3の特性と、その発生箇所についてご紹介します。
食品工場で特に問題となる内部発生虫ベスト3
チョウバエ
・体長:1~5mm
・特徴:飛翔能力は高くなく、壁面に留まったり、徘徊したりする
・リスク:食品の微生物汚染
・発生源:壁面のぬめり、汚水溜まり(グレイチングなど)
特にチョウバエが発生しやすい箇所は、グレイチングや排水溝です。ぬめりのある場所など、水回りは特に注意が必要です。
写真1:グレイチング
チャタテムシ
・体長:1~1.3mmと微小
・特徴:食品や段ボールなどの表面に発生するカビを食べる
・リスク:非常に小さいため、気づかない間に異物混入する
・発生源:包装や充填機械内部、汚れたパレット、古い段ボール、紙類、埃や汚れの溜まった床、壁、天井裏、内壁、保管原材料など、あらゆるところから発生する
特にチャタテムシが発生しやすい箇所として、4箇所挙げられます。まず1つ目は、ベルトコンベアの裏側やサイド部分です。細かい部分の汚れを取りきれないことが要因となり黒カビが発生することで、カビを食べるチャタテムシが発生します。
写真2:ベルトコンベアの裏側とサイド部分
また、チャタテムシが発生しやすい箇所の2つ目として、配管の細部が挙げられます。このような細かい箇所の汚れを取り除くためには、清掃箇所に合った道具を使用することが重要です。
写真3:配管の細部
さらに、チャタテムシが発生しやすい箇所の3つ目として、天井が挙げられます。チャタテムシの餌となる黒カビを発生させないよう、天井も清掃が必要です。
写真4:天井
そして、チャタテムシが発生しやすい箇所の4つ目として、ホースの蛇腹部分が挙げられます。写真5では、蛇腹部分に汚れや黒カビがこびりついていますが、この入り組んだ箇所に適した清掃道具を使用することが重要です。
写真5:ホースの蛇腹部分
チャバネゴキブリ
・体長:11~15mm
・特徴:夜行性のため、昼間は隠れ、集団で潜伏する。狭い場所を好む(5~10mm程度)
・潜伏場所:機械の隙間、排水溝、配電盤内、壁の内空部、天井裏、床や壁にできた隙間やひび割れ部分、長時間放置されている段ボールやパレット、冷蔵庫の熱源部
特にチャバネゴキブリが発生しやすい場所は、シンクの下です。じめじめした場所や暖かい場所に生息しますので、シンク下以外でも、工場内にそのような場所がある場合は、注意が必要です。
写真6:シンク下
まとめ
今回は、内部発生虫ベスト3とその発生箇所についてご紹介しました。発生源として挙げた箇所について、「自社では、あまり清掃できていない」「清掃しにくいため、汚れを取るのが難しい」と感じられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。次回【後編】では、今回ご紹介した虫の特性や発生箇所を踏まえて、「防虫清掃」に最適なブラシや清掃のポイントなどを詳しくご紹介します。ぜひご参考いただければ幸いです。
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